相続人が考えていた財産より大幅に減額できた事例

かならず見つかってしまう事例 3つ

・死亡前10年以内の預金引き出し
・生前贈与として贈与したつもりが、名義預金として贈与が無効に
・自分で払っていない保険契約

死亡前10年以内の引き出し

相続税申告では、過去10年分の銀行預金の入出金履歴を調査します。
この調査により、生前贈与やタンス預金、他人の名義を借用した預金、
保険契約のその他の財産の有無の予測の端緒とします。

相続税の申告を正しく行うためには、財産の本来の所有者の判定が重要です。
銀行預金の場合、亡くなった方の預貯金について調査すると過去10年分の取引明細は簡単に取り寄せることが出来ます。
そして、他銀行や相続人の銀行や証券会社、保険会社からの書類など書類を時系列に並べると行き先不明のお金、通帳間移動、引き出した曜日、引き出した場所などが明らかになります。
その場合、財産の本来の所有者の判定が名義と異なることがあります。

生前贈与として贈与したつもりが、名義預金として贈与が無効に

孫や子供のためにお金を貯める
孫の通帳や子供の通帳を作成し、そこに入金していることがあります。
ほとんどが使用されずに貯まっていきます。
この場合、ほぼ贈与では無いと判定されます。

贈与は、「渡す」という意思表示と「もらう」という意思表示が必要です。
「渡す」という意思表示は、簡単です。
しかし、「もらう」という意思表示の証明が難しいのです。
証明しきれないときは、贈与が認められず、その通帳を管理していた人の財産になります。
他にも次のような悪い想像を膨らませることにもなります。
通帳にお金が特定の者から入金されていて、それが貯まっていて、どうして使わなかったのか?
「使わないように」と言われてたのではないか?
もしくは、使える状態では無かったのではないか?あわよくば、相続税の課税を逃れようとしていたのでは?
と、想像が膨らんでしまうのです。

自分で払っていない保険

保険契約は、相続財産であることに気づかないことがあります。
生前に保険証券でもらって、契約者を変更していた場合には、特に気づかないものです。
しかし、これも立派な相続財産です。
このような、保険のほとんどは積立型です。定期預金の証書を貰っていることと変わりありません。
保険料の支払いを誰が行ったかは、調べればすぐに分かります。

保険契約は、死亡保険金以外は、保険料を支払った方の財産です。
保険料の支払いをするときは、通帳から引出して支払ったり、自動引き落としされたりします。
通帳を経由して保険料を支払いますので、お金の出所ははっきりします。
もし、自分で保険料を払った覚えのない保険契約があるときは、相続財産になると覚えてください。
後に、なって判明すると、加算税、延滞税が発生してしまいます。

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